セントノア病院

こころのこもった医療と介護を実践し、患者様の「安全の場」づくりに全力で取り組んでいます。
川越セントノア病院 春日部セントノア病院
  • 2017年3月1日 『たばこ白書』

    厚労省は昨年の10月、15年ぶりに『たばこ白書』を公表。

    肺がんや虚血性心疾患、脳卒中などと受動喫煙との因果関係を確実」と位置づけました。そして翌10月、飲食店を含む建物内の原則禁煙と喫煙室の設置を認める法整備のたたき台を発表したのです。

    WHO(世界保健機構)から「世界最低レベル」と指摘される日本の受動喫煙対策。因果関係を「確実」とした厚労省のお墨付きをもらって、勢いづいたのが2020年東京五輪の受動喫煙の強化を進める政府と与党・野党を超えた規制派議員。主なメンバーは塩崎厚労大臣や規制派を代表する河野太郎さんなどなど…。この河野太郎さん、先日の自民党厚生労働部会で、集まった約50人の議員さんたちを前にこうぶち上げたそうな。「たばこを吸う人間が横に座った人間のことをどれだけ考えてこなかったか。受動喫煙を一掃してほしい」と。

    これに猛反発したのが分煙派の面々。石破茂さんを筆頭に、野田毅さん、片山さつきさんなどなど…。石破さん「みんな止めちゃえと言うのは知恵のある人のいう事ではない」。野田毅さん「愛煙家、嫌煙家双方の権利を守ることが大切」。

    自民党だけではありませんよ。民進党の元総理、野田佳彦さん「(たばこ増税は)税制を通じたオヤジ狩りみたいなものだ」。

    そういえばこの国の歴代首相にはけっこう愛煙家が多かったようです。まず「岸信介」、そして「田中角栄」、「竹下登」、「橋本龍太郎」。さらに前述の「野田佳彦」等々。(敬称略)

    結局、自民党厚生労働部会は、質疑の終盤に発言した重鎮、野田毅さんの「厚労省が出した飲食店を含む建物内の原則禁煙のたたき台は大幅に修正される前提だ。厚労省が言ったからといって通る自民党じゃない」の一言でチョン。さて施政方針演説で規制強化を訴えた安倍さん。どうします?

    ともあれ、2010年にWHOとIOC(国際オリンピック委員会)が『たばこのない五輪』の推進で合意。2010年のバンクーバー冬季五輪(カナダ)以降の五輪開催地は、全て罰則付きで飲食店の建物内完全禁煙の規制を実現。現在は世界49か国で、飲食店を含む公共の場を全面禁煙にしています。

    さて、病院はどうでしょう。現在は敷地内全面禁煙と建物内全面禁煙とに分かれています。大学病院などの急性期病院は前者です。当院は建物内全面禁煙ですが、敷地の片隅にブロック塀で囲った喫煙所があります。つまり分煙です。もっともこれも五輪前には敷地内全面禁煙になっていると思いますが…。

    私ですか?二年前に心筋梗塞を患い、血管にステントを挿入する手術を受けて以来、たばこは止めました。今では喫煙場所をあちこち探したり、受動喫煙で肩身の狭い思いをせずに済みますし、何より両病院の先生たちに禁煙しろと言われなくなりましたからね。

     

      常務理事・事務局長 瓦井 洋

  • 2017年2月1日 『さくら』

    犬と人間の歴史はかなり古いそうで、一説によれば15000年位前まで遡るそうです。その昔、犬は人間の食べ残した動物の肉や骨を食べているうちに、移動する人間たちについていくようになり、やがて行動も共にするようになった、と言われています。

    一方で人間も、たとえ暗闇の中でもその鋭い嗅覚で、接近する他の獣をいち早く察知し、吠えたてる警戒心は大いに役に立ち、共存の道を歩むようになった、というのが通説のようです。この人間と犬の長い長い歴史が、犬が人間の最高の友と言われる所以なのかもしれませんね。

    そんな犬と人間の関係。ワンちゃんはマブダチ、いやファミリーだ!そう思っている人も多いと思いますが、実はワンちゃんも人間の感情をちゃんと理解しているのだ、と科学的に示された研究結果があるのはご存知ですか。

    イエール大学やハンガリー科学アカデミーの研究です。

    それによると、犬と人間には「三つの共通点」があるのだそうです。仲良しには理由があった!という事でしょうか。

    まず一つ目   喜びや悲しみを人間と共有している

    悲しい気持ちでいるときに、犬が傍に寄り添ってくれる。これは本当に私たちを励ましてくれていると考えてよいのではないか。

    そして二つ目  人間をちゃんと信頼している

    犬は恐怖を感じると飼い主に助けを求める習性がある。これは他の動物には見られない。犬にいろいろな人の臭いをかがせたところ、脳の喜びを司る部分は、飼い主の臭いに最も強く反応し活性化した。

    さらに三つ目  人間の脳は犬を家族だと認識している

    被験者の女性に「愛犬の写真」と「自分の子供の写真」を見せたところ、どちらの写真にも脳の同じ部分が活性化。つまり人間の脳は犬も人間の子供も大切な家族の一員として同じように認識しているというわけ。

    さて、当院(春日部セントノア)のセラピー犬『さくら』が、一月十五日、静かに息を引き取りました。十歳と五か月の生涯でした。犬の寿命は意外と短くて、さくらのような大型犬は十歳前後なのだそうです。という事は、さくらも自分の寿命は全うしたことになります。

    さくらにまつわるエピソードは幾つかありますが、その一つを披露します。『さくら』は病院に来る人たちを分別していたようなのです。まず職員には制服であろうと私服であろうと絶対に吠えませんでした。もちろん患者さんにも絶対吠えたりしません。驚いたのはお見舞いに来るご家族には吠えないのに営業や納品に来る業者さんには警戒を見せ吠えるのです。どこでそんな区別ができるのか、一時、院内で話題になったほどです。ともかくとても利口な犬でした。

    『さくら』、私たちの気持ちを穏やかにし、時に癒してくれたことを本当に感謝します。ありがとう。

     

     常務理事・事務局長 瓦井 洋

  • 2017年1月1日 『経済的貧困と心の貧困』

    「正月は 冥土の旅の一里塚 目出度くもあり 目出度くもなし」

    誰の句か忘れましたが、いい年だったのか悪い年だったのか判断のつかない、激動と言ってもいい一年が終わりました。

    昨年は英国がEUを離脱したり、トランプさんが大統領選で勝っちゃったり。そしてこの国では安倍さんの一人パフォーマンスがやたらと目立った年でもありました。例えばトランプさんが勝つとすかさずニューヨークまで飛んで行ったり、プーチンさんと地元の山口で会談したり…。さすが安倍さんって訳でもないのでしょうが、相変わらず安倍さんの支持率が高かったですね。

    それはそうと安倍さんの最大の目玉である『アベノミクス』はどうなったのでしょうね。

    『アベノミクスは道半ばですが、全て順調です』と言われ続けて何年か経ちましたが、昨年もやっぱりその実感はないという人たちで溢れていましたよ。まあ多少の実態はあったのかもしれませんが、安倍さんや政府がいうほど国民生活に変化がなく、ほとんどの国民にその実感が湧かないとすれば、アベノミクスは失敗だったのではないか、と結論付けられても仕方がないのではないですか。

    それどころか私たちにとって問題なのは、私たちの生活に大きな負担がかかる法律がどんどん通ってしまった年になったことなのです。

    まず、年金の支給時期が遅らされ、金額は引き下げられました。医療費は引き上げられ、高齢者の負担がさらに増えました。巷では相変わらず保育所不足に保育士不足。介護離職は増え続け、産休明けや育休明けでの職場復帰もままならない。こんな社会でこんな政策では、実感が湧かないのは当たり前だと思いますよ。それに一方では公務員給与が引き上げられました。この国の企業の九十%以上を占めている中小企業では、汗水流して働く労働者が、給与が上がるどころか雇用不安にさえ悩ませられているというのに…。

    結局のところ多少の増収が見込めたとしても、将来の不安は当然ながら払拭されません。だから無駄な消費はせず貯蓄に回るのです。つまり安倍さんが何を言おうと、この国の人々はこの悪循環から絶対に抜け出すことはできないのです。

    そして格差社会問題。米国では格差社会が問題になっていますが、この国だって負けてはいません。

    つい最近まで、この国では東日本大震災や熊本の大地震にみられるように、困っている人たちに手を差し伸べる、この国の美徳ともいえる助け合いの精神が根付いていました。しかし今では、大震災で避難している子供たちをいじめたり、ゆすったり。子供たちを諫める立場の教師さえ「菌」だなんてあだ名をつける。何かが狂っているとしか思えません。

    景気の上向きを狙うのも結構だけど、ここ数年で失ったものを取り戻すほうがこの社会にはずっと大事だと思います。そうでないと『経済的な貧困』だけでなく『心の貧困』まで生み出してしまう結果となります。

    「安倍政治」が生み出しつつある利己的な「何か」がこれ以上拡大しない年であることを切に願っています。

     

     常務理事・事務局長 瓦井 洋

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