セントノア病院

こころのこもった医療と介護を実践し、患者様の「安全の場」づくりに全力で取り組んでいます。
川越セントノア病院 春日部セントノア病院
  • 2017年5月1日 『終末期医療』

    一般的に『終末期医療』と言えば、治る見込みがなく数週間から数か月で「最後の刻(とき)」を迎える患者に対し、延命を目的とした医療を行うことを言います。

    あるアンケート調査によればこの終末期、6割の人が家で迎えたいと願っているそうですが、現実には8割の人が終末期を病院で迎えているのだそうです。そして病院であれば死を迎えるまで治療は続けられるのが普通です。

    これも、ある大学の研究機関のレセプト(診療報酬明細書)集計調査ですが、65歳以上の終末期3か月間の医療費はすでに1兆2000億円を超えている、という報告が出されています。当然、医療費削減に躍起になっている厚労省が黙って見過ごす訳がありません。在宅医療を促進したり入院期間を短縮したりの他に、終末期医療にも手を打ってきています。が、一方で、「高額医療費の大半が終末期の患者で高齢者というのは全くの誤解で削減効果もない」という意見や、「1兆2000億は国民医療費の3.5%で、この中には急性疾患の患者も含まれており、社会保障財政の圧迫にはなっていない」という意見もあります。

    そもそも『終末期医療』とは何なのか。そして『延命治療』とは何を指すのか…。

    当院は、川越・春日部の両病院とも開設当初から「延命を目的とした内科的治療はしない」ということを明言してきました。そしてその理念は十数年経た現在でも変わりはありません。しかしその是非を問われると、とても難しい論争に発展してしまいます。そもそも『終末期医療』には「本人が望む最後を迎えさせたい」という論理面と過剰な延命治療を減らすという財政面の二つがあります。しかも論理面には『肉親の情』という割り切れない問題が絡みますのでなかなか結論は出せないのが現状だろうと思います。

    何年か前に、今の副総理の麻生さんが「いい加減に死にたいと思っても生かされたらかなわない。政府の金でやってもらっていると思うとますます寝覚めが悪い」とやってヒンシュクを買いましたが、実のところこれが「本音」だという意見も多かったように思いますがどうでしょう。

    昔、老人病院のベッドに寝かされている高齢の患者を診ていた医者が、「まるで魚河岸に並んでいるマグロのようだ」と評した言葉が忘れられず、高齢者医療にことごとく反発し今のセントノア病院を創立した私には、麻生さんの本音は、建前論ばかりが優先する国会論争の中で、とても新鮮に聞こえたのは事実です。

    ともかく、当院に入院している患者さんには『人としての終末期を穏やかに過ごす』ことのお手伝いをさせてもらうこと。これが当院の願いです。

     

      常務理事・事務局長 瓦井 洋

  • 2017年4月1日 『ストレスチェック』

    以前にも少し触れましたが、ここ数年、世界先進国の医学界の潮流は精神医学がトレンドになっています。日本の厚労省もそれに倣ったわけでもないのでしょうが、今から2年前、従業員50人以上の事業所に対して年1回、従業員がストレスに関する質問票に回答する「ストレスチェック」を行うよう義務付けました。昭和から平成へ。バブルの崩壊と共に、ただガムシャラに働くだけの風潮はとっくの昔に無くなったはずなのに、それでも2015年に厚労省が実施した「労働安全衛生調査」によれば、現在の仕事や職業生活に関して「強いストレスとなっていると感じることがある」とする人は55%もいたとか…。その内容たるや「仕事の量・質」が最多の57%、「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」が36%、「仕事の失敗、責任の発生など」が33%だったそうです。

    いやはや、昭和時代の最後の企業戦士を自認する我々には、考えられないくらいの軟弱さかな…と。ちょっと驚いています。おっと我々ではなく、あくまで私個人の感想ですけどね。

    ともあれ、私たちのこの病院では、『真に患者さんに必要なだけの医療を行う』。つまり医療のための医療は行わない。そしてもうひとつ、この病院で働く『職員たちのための病院を』。やりがいのある、明るく、楽しい職場にする、が理念の一つなんです。ブラック企業など全く縁がない、と自負していますが、厚労省の「労働安全衛生調査」のデータも無視できませんしね。

    そこで、下記にちょっとしたアドバイスを。

    今日から4月です。入学や就職、転勤等で新たな環境での第一歩を踏み出す人も多いと思います。さすがにそんな新しい環境では、確かにストレスはかかりやすいものなのでしょうね。そこでストレスケアの一つとして次の項目をあげてみます。もちろんこれは精神科指定医の受け売りですけど…。



    S スポーツ ラジオ体操やウォーキング。1日15分でも体を動かす。

    T トラベル 旅行。又は自然と親しむ。

    R レスト レクリエーション。休息。家族との団らん。

    E イーティング 家族や親しい仲間と食卓を囲む。

    S スピーキング&シンギング 話す。カラオケで歌う。

    S スマイル&スリーピング 笑顔。快眠。


    と、まぁこんな具合ですけど、この中の2つや3つなら、どなたでも出来そうですよね。ただ、これからの問題として、体調の不良を全てストレスのせいにするのは、とても危険だということも知っておいて下さい。もちろんこれも受け売りですけど、体の病気で症状が出る場合も大いにあるそうですから…。

     

      常務理事・事務局長 瓦井 洋

  • 2017年3月1日 『たばこ白書』

    厚労省は昨年の10月、15年ぶりに『たばこ白書』を公表。

    肺がんや虚血性心疾患、脳卒中などと受動喫煙との因果関係を確実」と位置づけました。そして翌10月、飲食店を含む建物内の原則禁煙と喫煙室の設置を認める法整備のたたき台を発表したのです。

    WHO(世界保健機構)から「世界最低レベル」と指摘される日本の受動喫煙対策。因果関係を「確実」とした厚労省のお墨付きをもらって、勢いづいたのが2020年東京五輪の受動喫煙の強化を進める政府と与党・野党を超えた規制派議員。主なメンバーは塩崎厚労大臣や規制派を代表する河野太郎さんなどなど…。この河野太郎さん、先日の自民党厚生労働部会で、集まった約50人の議員さんたちを前にこうぶち上げたそうな。「たばこを吸う人間が横に座った人間のことをどれだけ考えてこなかったか。受動喫煙を一掃してほしい」と。

    これに猛反発したのが分煙派の面々。石破茂さんを筆頭に、野田毅さん、片山さつきさんなどなど…。石破さん「みんな止めちゃえと言うのは知恵のある人のいう事ではない」。野田毅さん「愛煙家、嫌煙家双方の権利を守ることが大切」。

    自民党だけではありませんよ。民進党の元総理、野田佳彦さん「(たばこ増税は)税制を通じたオヤジ狩りみたいなものだ」。

    そういえばこの国の歴代首相にはけっこう愛煙家が多かったようです。まず「岸信介」、そして「田中角栄」、「竹下登」、「橋本龍太郎」。さらに前述の「野田佳彦」等々。(敬称略)

    結局、自民党厚生労働部会は、質疑の終盤に発言した重鎮、野田毅さんの「厚労省が出した飲食店を含む建物内の原則禁煙のたたき台は大幅に修正される前提だ。厚労省が言ったからといって通る自民党じゃない」の一言でチョン。さて施政方針演説で規制強化を訴えた安倍さん。どうします?

    ともあれ、2010年にWHOとIOC(国際オリンピック委員会)が『たばこのない五輪』の推進で合意。2010年のバンクーバー冬季五輪(カナダ)以降の五輪開催地は、全て罰則付きで飲食店の建物内完全禁煙の規制を実現。現在は世界49か国で、飲食店を含む公共の場を全面禁煙にしています。

    さて、病院はどうでしょう。現在は敷地内全面禁煙と建物内全面禁煙とに分かれています。大学病院などの急性期病院は前者です。当院は建物内全面禁煙ですが、敷地の片隅にブロック塀で囲った喫煙所があります。つまり分煙です。もっともこれも五輪前には敷地内全面禁煙になっていると思いますが…。

    私ですか?二年前に心筋梗塞を患い、血管にステントを挿入する手術を受けて以来、たばこは止めました。今では喫煙場所をあちこち探したり、受動喫煙で肩身の狭い思いをせずに済みますし、何より両病院の先生たちに禁煙しろと言われなくなりましたからね。

     

      常務理事・事務局長 瓦井 洋

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