春日部セントノア病院

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2014年8月
『キュアとケア』

本紙4月号で、昨年12月に各国の保健担当大臣らがロンドンに集まり『主要国(G8)認知症サミット』が開催されたことについて、佐々木昭子先生の報告がありました。日本政府は、その「G8認知症サミット」の後継イベントとなる国際会議を「新たなケアと予防のモデル」をテーマとして、11月5〜7日に東京などで開催することを決めています。このように認知症は、日本だけでなく国際社会にとって、緊急の対策を必要とする重要な課題になってきているのです。
本紙2月号に私は、オープンして10年近い歳月が経つと様々な社会要因が変わり、それに伴なって当院に対する社会的ニーズも変化していると書きました。当院への絶対的な社会的ニーズは、@認知症のホスピスケア Aがんなどの重病を併せ持つ認知症患者さんのケア にあると私は思っています。これが、当院のこれから果たすべき社会的役割であると見ているのです。
「認知症のホスピスケア」と「がんなどの重病を併せ持つ認知症患者さんのケア」は、一見すると「ケア中心」対「治療中心」といった相克する内容に見えますが、ベースは同じです。ホスピスケアの原則には、@尊厳を守る A症状コントロール BQOLの重視 の3つがあります。「認知症のホスピスケア」は、その3原則のうち「QOLの重視」が主体となり、「がんなどの重病を併せ持つ認知症患者さんのケア」は「症状コントロール」が中心になるということが違うだけなのです。
ホスピスケアを実践するには、キュア(治療)とケア(看護・介護)が、並列する体制でなければなりません。治療中心の一般病棟の体制はピラミッド型です。トップにいる医師の指示のもとに看護師・介護士が動きます。ところがホスピスはケアが中心ですから、キュアとケアを並列にし、両者の合意で行うことが大切だと私は考えています。キュアは医師の専門分野、ケアは生活の質(QOL)の専門家たる看護師・介護士の分野だという視点で、両者の合意をもって事をなすのです。点滴を例にとると、その是非を医師は生理学的に考えます。看護師・介護士は患者の生活の質の面から考えます。両者で議論し合い、点滴する方が患者さんにプラスになると判断された場合に、実施するのです。
当院に対する社会的ニーズが変化する中で、絶えずその変化を敏感に察知し、即応できる私たち医療者の心構えが、より必要とされる時期に入っているといえるでしょう。

副院長 野 正孝