春日部セントノア病院

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2015年4月

『新・師長を考える』

 

平成27年4月1日より、2病棟看護師長となりました船津(ふなつ)と申します。どうぞよろしくお願い致します。私が認知症に興味を持ち、当院に入職するきっかけとなったのは、当時勤めていた病院の内科病棟に入院していた認知症患者さんの行動でした。70代の男性、明け方4時頃、たたんだ衣服を小脇に抱えて下着一枚で、巡視中のぽかんとする私の目の前を颯爽と階段を下りて行きました。その行動は「なぜ」起こるのだろうか、知りたいと思いました。また、点滴治療が必要な認知症の患者さんには点滴が抜かれないように抑制をするのが通常でしたが、気が付くと抜かれてしまい、脱出予防に設置していたストレッチャーも見事に下から抜け出され、大騒ぎで血だらけの患者さんをベッドに戻したことが何度もありました。でも、嫌がる患者さんをベッドに押さえなければならない私の仕事は一体何なのだろう、本当にこれでいいの?と心が折れる毎日。何か方法はないのだろうかと模索していた時に当院の開院を知り、ぜひ「学びたい」と思って入職しました。また、基礎知識として認知症ケア専門士の認定資格も取りました。

勤めていた病院の都合もあり、約1月遅れでの入職でしたが、2病棟から1病棟へ。主任となって3病棟。この度、師長という大役を背負って2病棟への里帰りとなりました。

思えば、この約9年でぐるっと一周、各病棟を回ったわけですが、色々な事がありました。たくさんの患者さん、スタッフとの出会いと別れ。何より私自身にとって学びの多い9年でした。当初の目的「認知症について、ケアについて」は、患者さんが今でも身をもって私に教えてくれています。何が良いのか、良くないのか…まだまだ勉強中ではありますが、10年目の結論として今の私の思いに一番近いかなと思った「ユマニチュード入門」という本からの一節をご紹介します。

⚫︎何が中心にあるべきか
ユマニチュードの理念は絆です。人間は相手がいなければ存在できません。あなたが私に対して人として尊重した態度をとり、人として尊重して話しかけてくれることによって、私は人間となるのです。私がここにいるのは、あなたがここにいてくれるからです。逆に、あなたがここにいるのも私がここにいるからです。私が誰かをケアする時、その中心にあるのは「その人」ではありません。ましてや、その人の「病気」ではありません。中心にあるのは、私とその人との「絆」です。加えて、人として関わるには、自分が正しく生きていないといけないなあ、とも思います。「あなたは正しく生きていますか?」と自分に問いかけてみますが、返事はまだありません。

これから師長として、その役割を果たしていくことになりますが、師長の役割の多くはその「絆作り」にあるのではないかと考えています。スタッフ同士、患者さんとスタッフ、患者さんとご家族、ご家族とスタッフなど皆が幸せになるためにはどうすればいいかを考えていく事。
当院の「延命治療はしない」「拘束はしない」「人として人らしく、尊厳をもって」(ちょっとだけアレンジ)の基本方針を守り、新規一転、新しい気持ちで病棟全体の「絆作り」に取り組んでいきたいと思います。

 

2病棟師長 船津 栄