春日部セントノア病院

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2015年7月

『こんなにも辛い事』

 

各地から山開きの便りが届き梅雨明けを待ちわびる日々ですが、皆様体調にはくれぐれもお気を付け下さい。

私事ですが2年前の今頃に大病を患い手術をする事となりました。洋服や靴などのショッピングが大好きで年中買い物に行っていましたが、手術日が決定してからは「このまま目が覚めないかもしれないから買っても…」なんて考え、食品以外は何も買わなくなりました。唯一バッグだけ大変気に入った物があり「使わなくても良いか」と思いながら買った物がありました。今ではお出かけ用バッグとして大切に使っています。

手術前日から退院まで、全てが初めてな事ばかりで、患者の身になるという貴重な体験が出来ました。手術前日、排便のため坐薬を入れました。「わー、気持ち悪い!」の一言でした。手術当日は麻酔でぐっすり眠ってしまったので手術中の事は全く分かりませんが、手術後に目を覚ますと管(くだ)だらけの状態でした。その時の自分にとってどの管も大事な物だったのですが、まず私の『耐え難い事』のターゲットになったのは酸素マスクでした。苦しくならない為にやる酸素が苦しくて、朦朧としながら付けたり外したり、外したり外したり…していました。どうしても我慢が出来ず看護師さんに酸素マスクを取って欲しいとお願いしましたが、貧血がひどいので明日の朝まではやって下さいとの返事でした。次の日の朝に無事酸素マスクは取れましたが、次のターゲットは胃の管でした。唾液を飲むだけでも違和感があり、少しでも動かそうものなら「気持ち悪い、気持ち悪い」でした。そのため鼻の下がただれて皮膚に穴(潰瘍)が開いてしまったほどです。その管も次の日には抜かれ、次のターゲットは流動食でした。手術後という事もあり食欲が無いところに流動食は、どう頑張っても全量食べる事が出来ず水ばかり飲んでいました。1日毎に食事形態も上がっていき食事摂取量も多くなってきましたが、食べる事が大好きな私でも全量食べるまではいきませんでした。その間に点滴の針は1本ずつ抜かれていきましたが、点滴の針は意外と気になりませんでした。そして最後のターゲットは尿の管です。横になっている時はあまり気にならないのですが、起きて椅子に座った時に違和感があり、座る位置によっては痛みもありました。尿の管が抜けた時にはまだ入っているような感覚で、しばらくは椅子に座る時に注意をしながら座っていました。

日頃から『患者さんの身になって…』と思いながら看護をしてきましたが、今回の入院経験は『本当に患者さんの身になっていたのだろうか?』と考え直す良い機会になりました。酸素マスク・尿の管・点滴・胃の管・流動食がこんなにも辛い事だったと初めて知りました。これらは必要に応じて当院の患者さんにも行っている行為です。もちろん必要な時には頑張ってもらわなければなりませんが、今までたくさん頑張ってきた患者さんには「頑張らずに辛い≠チて言ってもいいんですよ」という想いもあります。私たちの行っている医療行為の多くが苦痛にもなりストレスにもなると念頭に置き、苦痛を与える事のない看護を提供していきたいと思います。

 

3病棟師長 斉藤 宏美