春日部セントノア病院

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2015年10月

『認知症の合併症』

 

当院は認知症専門の精神科病院ですが身体合併症治療に対応して内科医や外科医が病棟主治医であり精神科医と複数の主治医で担当します。患者さんの多くは癌や糖尿病、高血圧、心臓病など治療を必要とする重度の合併症を持っています。患者さんは精神科医が診察して精神科の入院治療が必要かどうか判断して、ご本人の入院治療への気持ちなどを確かめて入院となります。入院が決まると病棟主治医が診察して、合併症の治療方針など当院の医療について説明をします。入院の日に2人の主治医が決まり心身の治療がスタートします。当院は無理な延命治療はやらないと決めていますが、患者さんの持っている合併症の治療は丁寧に行っています。糖尿病のインシュリン治療は毎日3〜4回の血糖チェックでインシュリン量を決めて投与しているなど、きめ細かな治療によって糖尿病や高血圧などは改善して薬を減らす事が出来ます。また体の病気が改善すると精神的にも落ち着いて精神科の薬も減ります。最近入院した患者さんは初診時、心不全のため喘息で呼吸困難と足の浮腫みが著明で憔悴していましたが、多弁で幻聴があり「薬を飲んではいけない」の声のため薬を拒み大声を出し不眠が続いていました。内科医の治療で少し呼吸が楽になり精神科薬も投与する事が出来ました。間もなく喘息は消え1月後には足の浮腫も軽くなり、本人は足の甲を動かして「リハビリしています」とにっこりしました。本人に幻聴について聞くと「どこから聞こえてくるのでしょう、声があってもいいと思う。さびしくないから」と笑顔で話し幻聴とは距離が取れるようになっていました。関東地方の大雨で病院の周りも水浸しになったが、「通勤は大変だったでしょう、大丈夫でしたか」と職員への心遣いが見られるまでに回復しました。この方は内科入院中にせん妄状態になり精神科病院に入院したが身体の状態が悪く精神科の治療も充分にできなかったようです。

平成27年1月、国は認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)を発表しました。これは認知症の人の意志が尊重され、住み慣れた地域で自分らしく暮らし続ける事の出来る社会の実現を目指しての総合計画です。医療介護の面では、発症予防から発症初期、急性憎悪期、中期、人生最終段階、認知症の身体合併症等の医療が適時・適切に受けられるようなまた退院・退所後もサービスは続けて受けられるような循環型の仕組みを作るとしています。循環型と難しい表現ですが認知症の人を中心にした医療体制です。この医療機能区分で当院は認知症の合併症医療と中期の医療と人生最終段階の医療を担う事になります。

 

精神科医  佐々木 昭子