春日部セントノア病院

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2016年4月

『認知症治療の未来』

 

近年、アルツハイマー病に関する研究で大きな成果が得られ、テレビや新聞で大きく報道されました。アルツハイマー病患者の脳には2つの変化が起きています。脳神経細胞にアミロイドβという蛋白質が溜まってできる【老人斑】と、タウという蛋白質が糸状に絡まってできる【神経原線維変化】がありますが、これらはタンパク質が変性したもので、そのために神経細胞が死滅して脳萎縮が起こります。これまで異常な蛋白質が溜まることを抑えたり防いだりすることができず本格的な治療はできませんでした。

近年アミロイドβの分解産物を最先端の分析器を使って測定することが可能となり、それがバイオマーカーとしても使えることが解りました。早期診断が可能となったのです。また【神経原線維変化】の研究ではタウタンパク質を凝集させないようにする薬(タウ凝集阻害薬)の研究が成果をあげました。既に別の疾患の治療薬として使われているイソプロテレノールにタウ凝集阻害効果があることが解り、認知症の治療として使えるか検討され、さらにタウ凝集阻害作用の強い薬の研究を行っています。余談になりますが、タウ凝集阻害の研究からクルクミン(カレーの黄色い成分、ウコン)にも抗タウオパチー活性のあることが解りました。

アルツハイマー病への対応は早期診断・早期介入が最も重要とされています。早期診断・早期治療が見えるようになりましたが、現在研究機関や治療期間が一丸となってビックデータを解析し、さらに予防に向けて前進を目指しています。

超高齢化社会を迎えて、老化に伴う精神神経疾患の診断・治療・予防法の開発が最重要となったので、国は平成27年4月に日本医療研究開発機構に脳と心の研究部門を置き、オールジャパンの研究体制を発足させました。平成28年2月に研究報告のシンポジウムがあり、直接研究者から成果を聞くことができましたので報告しました。

 

精神保健指定医  佐々木 昭子