春日部セントノア病院

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2016年11月
『人生の分かれ道』
めっきり日が短くなってきました。夜が長く少し寂しい気もします。
食欲の秋・スポーツの秋・読書の秋と言いますが、何を食べても美味しく、食事をした後にもデザートを食べ、後悔をしてダイエットのためとスポーツジムに通っていますが全く痩せずにいる毎日です。太るのはとても簡単ですが、痩せるのはどうしてこうも難しいのでしょうか?
秋の夜長にゆっくり読書をする人も多いかと思います。秋ではないのですが、私はこの夏“過去に戻って言い残した言葉を伝える”という内容の本を読みました。過去に戻って思いを伝えても自分の人生をやり直したりは出来ず、現在の状況も変わらないという物語です。この本を読み終えて『私ならいつに戻り何を伝えたいだろう』と考えた時、今にして思えば私の人生の分かれ道に立っていたある友人の事を思い出し『二十三歳に戻り「ありがとう」と伝えたい』と思いました。
二十三歳の冬、その友人は病気で亡くなりました。当時看護師ではなかった私は「この若さで死ぬなんていう事はない」「若いのだから必ず元気になる」と思っていました。それが、入院当初は面会に来た私をエレベーターまで見送りに出てくれていましたが、そのうちに痛みが強くなりベッド上での「バイバイ」になり、「今度はヨーグルトを買ってきて」と食べ物のリクエストもありましたが次第に食への意欲も薄れ、それに伴って少しずつ細くなっていく友人。面会に行くたびに徐々に衰弱していくのが素人目にも分かりましたが、それでもきっと元気になると信じていた私は「早く元気になってご飯でも食べに行こう」と声をかけていました。希望とは裏腹に、友人は元気になる気配を全く見せず、いつも足を痛がっていました。「痛くて眠れないんだ」という言葉に「頑張れ」とも言えない私は、ただ黙って足を擦ってあげる事しか出来ません。ある日、それまで不眠気味だった友人が私に足を擦られながらぐっすりと眠り込み、私が帰った事にも気付かない事がありました。次に面会に行った時「この前は眠ってしまってごめんね、あまりにも気持ちよくて」と。その日は「また来るね」と帰りましたが、またの日をむかえる事も叶わず、数日後に友人は旅立っていきました。
この友人との出会いと別れが私に看護への門を開き、二年後に私は看護師の道を進み始める事になりました。今、生きがいを持って看護の仕事をする事が出来るのも、この人が私の友人でいてくれたからこそ。未来で看護師をしている私を知らない友人には「何の事を言っているの?」と言われそうだけれど、過去に戻ってこの友人に伝えたい、「ありがとう」と。
看護師になる動機は人それぞれとは思いますが、私には約三十年前のこの出来事が人生の転換期となりました。友人にもそうしたように、痛い所があれば手を当て、辛い時には心に手を当てる看護を忘れず、これからも看護師として生きていこうと思います。

3病棟看護師長  斉藤 宏美