春日部セントノア病院

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2009年7月

私がこの病院に来てから数ヶ月たったある日、一人の男の方が入院してきました。まだ環境に慣れていないせいか不穏気味で、薬局に用事がある看護師さんが手を引いて、よく連れてきていました。
ある時、薬局のドアノブを強く掴んだまま離そうとしなくなってしまいました。どんなに諭しても、手を解こうとしても、強い力でドアを握ったままでした。精神科の先生がいらして、お薬を服用してもらい、病棟に帰って行きました。そんな事があったので、病棟でその患者さんに会うと怖くて体が固まってしまうようでした。
ある日、注射薬を病棟へ配達に行った時にエレベーターを待っていると、その方がツカツカと歩いてきて、私の腕を掴みました。びっくりして振り返ると、とても穏やかな顔をしていました。腕もさぞギュッと掴むのだろうと思っていたのですが、優しく触れているように思えました。
その患者さんとはほとんど会話らしい会話はした事がありませんでしたが、『何か話したい事があったのかもしれない』『私が誰か知り合いの人に似ていたのかもしれない』、本当にそう思うと、私は今まで避けるような態度で接してしまって、何てひどい事をしてしまったんだろうと思いました。
たくさんの情報があふれる中で、自分の偏見や思い込みによらずに真実を見る事が大切だと、患者さんから教えてもらいました。

 

最近では、バスハイクなどにも参加させていただき、患者さんとお話をする機会も少しずつですが増えてきましたが、今でもあの時の患者さんの顔を思い出す事があります。

 

薬局長 長瀬 敏枝