春日部セントノア病院

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2006年5月

 開院して3ヶ月、連日のように入院があり、慌ただしい毎日です。各病棟ではスタッフ達が朝から晩まで走り回っています。
 驚くことに、認知症という当院の基本疾患とじっくり向き合う以前に、急性期に近い内科疾患を抱えたまま、駆け込むように入院する患者の何と多いことか。結果として入院当日から、発熱、検査、治療と、救急病院さながらの賑わい?で、病棟に用意された急性期医療室(広く使いやすい部屋が用意されている)が、入院当初からICUさながらのこんな活躍を見せるとは!
 現在の医療システムを手がける行政の皆さんも、身内に同じ様な疾患を抱えた経験をされれば、多少見る目が変わるかもしれませんね。患者さん本人はもちろん、それを支える家族の苦悩をもう少し知って欲しいです。引き受けてもらえる病院を探して奔走する家族は疲れきっていますよ。
入院された患者さんやその家族が、落ち着いた笑顔を取り戻し、『リハビリ音楽療法』の輪の中に入る事が出来るようになるまでは頑張らなければと思う毎日です。
移り行く季節と共に、院外の緑の青さと、院内に流れるBGMのモーツァルトを頭の一部で聞きながら、患者さんのために、この素晴らしい環境の中で働ける感謝の気持ちを忘れずに・・・。

 

花冷えや ナースの声の よく通り

 

院長 田巻 國義

 

 

【4月に出会ったこと】

 

お花見の会 4月1日(土)11:00〜当院前庭にて

 

心配されたお天気も、穏やかなお花見日和に恵まれました。病棟スタッフが、患者さんたちと苦心して一緒に作った花笠を手に、患者さん共々ハッピにねじり鉢巻き、車椅子で踊りの輪に加わる患者さんや、ベッドごと参加したTさん、Sさんもいて、「気分がいいネェ!」と顔をほころばせ、その笑顔にスタッフたちも感無量でした。植えたばかりの桜の木は、まだ遠慮がちに花をつけていましたが、患者さんたちにとても元気をくれました。
       
軽快退院第1号《Sさん おめでとう》

 

 「認知症は治らないから、一度入院したらもう元気に退院出来ない」。この通説を裏切って、4月14日にSさん退院されました。退院の日のSさんいわく「入院して来た時のことなんか全然覚えていないよ」。入院の相談に見えたときは、ただ車椅子に乗って、ご自分で自走すら出来なかったSさん。ご家族の話しによれば、夜間徘徊、昼夜逆転、怒りっぽくトイレもご自分で出来なかったとか。即入院となりましたが、入院当初はご家族のいわれたとおりで、帰宅願望が強く、スタッフもかなり手を焼いたとか。そんなSさん、落ち着いて来るとスタッフの話しも聞くようになり、退院するには、「体力をつけ歩けるようになること」、「ご飯をちゃんと食べること」、「夜は、きちんと寝ること」をスタッフと約束し、スタッフたちの粘り強い介助と見守りの中、2ヶ月経った頃には、『介護の限界』を訴えていたご家族も、驚かれる位に回復されました。ご長男は「昔の親父に戻ったみたいだ。時々、会話はおかしくなるけど、これなら家に連れて帰れます」。もっとも介護で苦労された奥さんは、「家に帰ったら元に戻るのでは」と不安もちょっぴりでしたが…。Sさんは「1ヶ月経ったらみんなに逢いに来るヨ!!」と、お気に入りの帽子をかぶり、散歩で鍛えたしっかりした足取りで、右手を上げて玄関を出ていかれました。本当に良かった!!。お大事に。


「認知症は完治しない」残念ながら現代医学ではそうかもしれません。
しかし看護、介護の力で、ある程度までは改善させることは出来るのです。少なくとも人間としての尊厳を保てるまでには…。これがセントノア病院の目標です。
ちなみに、川越セントノア病院の過去3年間の実績では、毎月3から4名程度の患者が軽快退院をしています。セントノア病院のこの数字がもっともっと増えるように努力をしていきます。

 

ホスピタルライフマネージャー  田中 ひとみ