春日部セントノア病院

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2010年6月

雨が新緑の葉を濡らし、一層輝いて見えます。
この時期、私には二つの憂鬱がやってきます。ひとつは病院短信の原稿の順番がくる事。もうひとつは、あまり嬉しくない誕生日です。先日風邪を引いて二日間寝込み、完治するのに二週間もかかってしまい「気持ちは若いつもりでいても身体は正直だなぁ。やっぱり年には勝てないと言うことかな?」と…。歳をとるという事は、ひとつずつ何かを失っていく事だと聞いたことがあります。私を振り返えってみると、まず歯を失い、視力が低下、体力が低下、そして友人や大切な肉親(父)を失いました。最期は赤ちゃんに戻っていくのだそうです。89歳の母の事を考えながら、何となく納得してしまいました。
昨年、一年ぶりに青森の田舎に里帰りした時の事です。いつも母は「仁美、よぐきたなぁ」と出迎えてくれていましたが、その時はただニコニコしているだけでした。変だなと思い「私は誰?」と聞いてみましたが「誰だったかね」と名前は出てきませんでした。「母は認知症と診断されていたので、予測が出来ていた筈でしたが、とてもショックを受けました」と、田巻院長に報告すると「毎日会っている人の事も忘れてしまうのに、年に一度しか会いに来ない娘の名前なんか覚えていられないよ」と。全くその通りだと思いました。『健康な人の記憶は【線】で繋がっているため、線を辿っていくと色々な事を思い出すことができる。しかし、認知症の人の記憶は【点】になってしまっているため繋がらない。進行するほど、点と点の距離は遠くなっていく』と、研修会で学びました。
認知症の進行により、大切な人の名前や顔まで忘れられてしまう事はとても悲しく、寂しいことです。でも、ご家族の方に対する笑顔は、どこか懐かしさを感じているのではないでしょうか。私達職員がどれだけ長く一緒にいてもご家族にはなれませんし、かなわないのです。ご家族の皆様、これからも無理のない程度でかまいませんので、是非面会にいらして頂くようお願い致します。きっと、あなたを待っていますよ。
私も出来る限り母の笑顔に会いに行こうと思います。

 

3病棟看護師長 渡辺 仁美