春日部セントノア病院

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2011年8月

『患者のQOL評価』
 QOLはクウォリティ・オブ・ライフの略で、生活の質をいいます。認知症患者さんの病状評価には、長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)やN式老年者用精神状態尺度(NMスケール)などがあり、当院でもそれらを活用していますが、認知症患者さんの治療というよりホスピスケアを主眼とする当院では、認知機能の評価以上にQOL評価がより大切になります。
 パーソンセンタードケアー(PCC)には、DCM(Dementia Care Mapping)という評価方法があります。これは認知症ケアの質の改善を目的とした行動観察手法ですが、五分毎に六時間程度評価するという大変ハードなもので、専門の担当者がいないと実施は困難といえます。
 そこで私はPCCの文献を拾い読みして、自分なりの評価法を作りました。患者の状態を評価する項目に、@くつろぎAふれあいB表現C笑顔D会話E活気の六項目を、独断で選出しました。それを毎日観察して、0点から2点までの評価点数をつけます。
@くつろぎとは、患者さんがホールや自室にいる時、くつろいだ状態かどうかを表情や態度で見ます。例えば、テーブルについて穏やかにテーブルメイトと話している状態ならば、2点をつけます。Aふれあいは、患者さん同士やスタッフとの間に、ふれあいがあるかどうかを観察します。喧嘩も一つのふれあいといえますが、評価は低くなります。B表現とは、自分の感情を表現できているかどうかを見ます。喜怒哀楽の感情をよく表出できていれば、高く評価します。たとえよく怒るにしても、自分の感情を表現できているとして1点をつけます。C笑顔は、日常の生活で笑顔がどの程度あるかを見ます。会話しているときに笑顔が出る、あるいは独りでいるときも穏やかで笑顔があれば高く評価します。D会話については、少し厳密にその内容を見ます。全く受け答えができない場合は0点です。きちんとした内容で受け答えができれば1〜2点と高めの点数をつけます。受け答えは出来ますがその内容がでたらめなときは、点数を少し下げます。E活気とは生き生きとした活発さで、表情や行動などに覇気や元気があるかどうかを見ています。
 これらの項目をだいたい一週間に一項目づつ評価し、カルテに点数と簡単な説明を記載しています。これが臨床にどの程度役立つかはまだ分かりませんが、この評価項目の視点から患者さんの状態を観察すれば、QOL評価につながると思って実施しています。

 

副院長 野 正孝