春日部セントノア病院

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2011年11月

『追想―東日本大震災』
東日本大震災の被害は甚大だったが、私達は何を考えるべきか。被災地の復興や被災者の支援を最優先するのは当然だが、もっと重大な事がある。戦後の復興期を過ぎてもなお延々と日本の美しい自然を破壊する無駄な公共事業を続け、更に放射能の危険を省みず、反対意見を無視して冷静な科学的評価を怠り、利権に執着して原発を作り続けた結果がこの原発事故であるという事だ。その最大の責任は東電よりも国すなわち歴代政権与党・官僚にある。
全国各地の河川・ダム・空港・干拓等の公共事業は、某政党・国交省(原発は経産省)・建設業等、政官業の癒着構造の下に某政党系知事・市町村長が加わり地方に資金を投下、住民の意見を金で誘導し、地域の自然を守りたい少数派の声を無視して実施されてきた。某政党長期政権に飽きただけの政権交代は、権力を握る官僚システムを変革しない限り何もできないことを証明した。従来型公共事業は将来に大きな禍根を残す。一度破壊された自然は二度と蘇らない。美しい風景は日本の宝である。貴重な自然を壊さず、将来の世代のために残す方がはるかに喜ばれるだろう。
美しい自然は地元だけのものではない。未来に引き継いで何世代先までも貴重な自然に親しめれば将来の大きな遺産にもなるが、金に変えたら一時的な豊かさとゴミを残すだけだ。何気ない自然の風景は何物にも代えがたい豊かな財産であり、どんなに金を積んでも得られない尊いものだ。故郷の自然を守ることは、郷土の歴史と伝統に対する誇りと敬意を示すものである。
公共事業は自然環境を守りかつ維持しながら慎重に進め、経済的利益を優先するのはもうやめるべきだ。経済を二の次にしても、自然を守るという選択によって将来感謝される時が必ず来るだろう。原発事故は、公共事業、はては原発事業で世界でも比類なき日本の美しい自然を破壊し続けてきた報いではなかろうか。原発なしでも他の手段で電気は十分足りるという試算結果が出ている。

 

医師 沢田 實